ユニットケアにおける”玄関”
意外にも特に考えていなかったり気にしていない施設が多いのが現状です。
入居者の”家”であるはずが、”施設”という考えが根強く残っているのが原因です。
”自分の家”と思う瞬間は玄関から始まり、
その”玄関”をしっかり考えていくことで「自分の家に帰ってきた」=安心に繋がります。
この記事ではユニットケアにおける”玄関”に的を当ててどのように考え持って作って行ったら良いか解説していきます。
ユニットケアにおける玄関の大切さ
皆さん自分の家に帰った際に、最初に踏み入れるところは”玄関”ですよね?
知らず知らずのうちに皆さんは、玄関に入った際に玄関の形・匂い・置物を総合的に感じて「自分の家に帰ってきた」と認識しています。
ですが、全ての家の玄関が同じですか?
全部の家の玄関が全く一緒ならどうでしょうか?
帰ってきたときにどのように自分の家と認識しますか?
おそらく本当にここは私の家?と困惑しますよね?
このように最初に踏み入れる玄関には「自分の家」と思うのに重要な役割があります。
ユニットケアでも同様で入居者が自分の家と認識していただけるように”玄関”をしっかりと作っていくことで安心に繋がります。
又、認知症の人にこそ玄関の雰囲気によって”玄関と認識”してもらうことが大切です。
出入り口の境界である玄関で自然と「ただいま」「おかえり」「行ってきます」「お邪魔します」等が当たり前に出るように職員も玄関の雰囲気を作っていくことが大事です。
【ユニットケア】入居者一人一人の居室を考えていく事で自分の居場所ができる!
ユニットケアにおける玄関の考え方
「自分の家はここから始まる」と認識ができること
各ユニットそれぞれ一緒じゃなくて良い、むしろ同じでない方が良い
職員も玄関という認識を全員で持ち、当たり前の玄関の利用の仕方をする。
当たり前の玄関の利用ってなに?
玄関で靴を履き替える・脱ぐ
人の家に入る分なので「お邪魔します・こんにちわ」等・・・無言で勝手に人の家に入る人はいないですよね?
玄関以外の場所から入る・・・人の家に入るのに玄関以外から入る方はいないですよね?
このように、自分の家だったらどうか?と考えれば簡単に答えは見つかり、それがとても大事になります。
【完全初心者向け】個別ケアの始め方【ユニットケアを理解することで実現】
ユニットケアにおける玄関の作り方
当たり前の玄関を想像してみましょう・・・・
例 靴箱は→玄関の中 新聞受けやポスト→玄関の外 etc...
表札がある 下駄箱がある 置物がある 花等の観葉植物が飾ってあったり等・・・家と同じような物が置いてあると良いと思います。
注意ポイント
玄関だからといって、完全にドアを締め切ってしまうのは良くないです。入居者は自分で動ける方ばかりではありません。
「外に出てみたい」という意欲が増すように、日中はさりげなくユニット内外の様子がわかる仕掛け(格子柄の戸にする等※材質にも配慮する)をしたり、玄関を半分くらい開放しておく等の配慮が必要。
夜は家と同じように閉めておくことで安心に繋がります。
よくある玄関の駄目な例
〜どのユニットも同じ雰囲気で変わらない玄関〜
どのユニットも似た雰囲気で変わりが無い玄関だと、区別がつかず自分の玄関と認識できません。全部のユニットが一緒じゃなくて良いです、各々のユニット事に玄関の雰囲気を作りましょう。そうすることでそれぞれ違う雰囲気が出る為、そこに住んでいる入居者さんは、「ここが自分の家の玄関だ!」と認識しやすいはずです。
〜玄関がない〜
玄関がない家をあなたは想像できますか? 同じように玄関がないと入居者さんは”家”と認識はできないはずです。
”家”と認識してもらう為にも玄関をしっかり作っていくことが大事です。家にとって玄関は必要不可欠です!!
〜玄関という認識が職員にない〜
雰囲気を作っていくのが、設えとともに職員の認識がとても重要になります。
先ほども述べたように「ただいま」「おかえり」「行ってきます」「お邪魔します」等を職員も使っていく事により、玄関としての雰囲気ができ一つの家という認識が入居者にとって感じることができます。
〜折り紙で作った花や鳥を貼り付けるのはやめましょう。家の玄関であり、小学校や幼稚園ではありません。〜
家の玄関で折り紙で作った物を貼り付けている家はありますか?おそらく殆どありませんよね?
設えを考える上で自分の家ならこんなことするかな?と考えることが大事です。
まとめ
●ユニットケアにおける”玄関”→”自分の家”と思う瞬間は玄関から始まり、その”玄関”をしっかり考えていくことで「自分の家に帰ってきた」=安心に繋がります。
●ユニットケアにおける玄関で一番大事なことは、「自分の家はここから始まる」と認識ができること
●ユニットケアにおける玄関を作る際は、まずは当たり前の玄関を想像することから始めて当たり前の玄関を作っていく。